論考②
理解・防御壁・行動
AIとの対話で生じた理解は、どのように行動へ更新されるのか
要旨
生成AIとの対話は、人に速い理解をもたらす。曖昧だった違和感が言葉になり、混乱した状況が構造化され、反復していた問題が見えるようになる。
しかし、理解が速く発生することと、その理解が行動として定着することは同じではない。状態変化は、行動変化ではない。
本稿では、理解と行動のあいだに作動するものを「防御壁」と呼び、それを破壊ではなく更新の対象として捉える。さらに、防御壁には、理解が行動へ通らない「作用A:通過阻害」と、理解の使い道が自分を守る方向へ反転する「作用B:方向転換」があると整理する。
生成AIは防御壁を自動的には越えない。しかし、防御壁がどこで作動しているのかを見える形にし、その更新を補助することはできる。