プロンプトは実行時にどうコンパイルされるのか
ユーザーがチャット欄に書いた文章だけがpromptではない。上位指示、履歴、memory、ファイル、検索結果、tool定義が、実行時に入力環境として組み立てられる。
promptとは、ユーザー文だけではなく、実行時に組み立てられた入力環境である。
GENAI-RON叢書 003
実行構造と責任境界
ユーザーが一文を送ってから、生成AIシステムは何を組み立て、何を参照し、何を実行し、どこで止まり、誰が責任を持つのか。
文・編集責任:Taku
ユーザーがチャット欄に書いた文章だけがpromptではない。上位指示、履歴、memory、ファイル、検索結果、tool定義が、実行時に入力環境として組み立てられる。
promptとは、ユーザー文だけではなく、実行時に組み立てられた入力環境である。
system、developer、user、tool resultの権限構造を分け、prompt injectionを「資料と指示の境界事故」として理解する。
指示の強さは、言葉の強さではなく、置かれた層によって決まる。
履歴、memory、retrieval、file input、tool resultが、今回の生成にどのように注入されるのかを見る。
contextとは、保存情報そのものではなく、今回の生成に入った入力集合である。
modelがtool callを出し、applicationが検証・実行し、tool resultをcontextへ戻す流れを見る。
modelはtoolを直接実行しない。外部世界への接続はapplication層で起きる。
JSON、schema、parse、validate、refusal、retry、repair、handoffまで含む、applicationとの契約として扱う。
構造化出力とは、きれいなJSONではなく、生成AIシステムとの契約である。
保存された情報が選別され、現在のcontextへ再注入される仕組みとしてmemoryを読む。
memoryとは、モデル内部の体験ではなく、保存・選別・再注入の仕組みである。
agentic loopを、停止条件、budget、verification、guardrails、handoff、traceによって制御されるloopとして見る。
agentは動き続けるものではなく、止まり、検証し、引き継ぐように設計される。
model、application、runtime、memory、tools、guardrails、human、auditの責任境界として全体を統合する。
生成AIシステムはmodelだけでは成立しない。責任境界を持つ全体設計である。
本叢書は、生成AIを「なんとなく賢いチャットボット」としてではなく、request、instruction、context、tool、schema、memory、agentic loop、architectureの組み合わせとして理解するための超詳解シリーズである。
中心にある問いは、ユーザーが一文を送ってから、生成AIシステムは何を組み立て、何を参照し、何を実行し、どこで止まり、誰が責任を持つのか、である。
01〜05では、単発の応答がどのように組み立てられるかを見る。06では、過去情報がどのように保存・参照・注入されるかを見る。07では、agentがなぜ止まり、検証し、handoffする必要があるかを見る。08では、これらをmodel / application / runtime / humanの責任分担として統合する。
01 request / prompt compilation
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02 instruction hierarchy
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03 context / memory / retrieval / files
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04 tool call / tool result / execution loop
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05 structured output / schema / validation
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06 memory / personalization / audit
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07 agentic loop / stop conditions / verification
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08 full architecture / responsibility boundary