GENAI-RON🧠生成AI論🥦

生成AIと話すと、考えが見えてくる 第2章

第2章 返事を読む

答えをもらうだけではない、対話としての生成AI入門

生成AIに話しかけると、返事が返ってきます。

その返事を見て、

「なるほど」

と思うことがあります。

「少し違う」

と思うこともあります。

返事を読むことは、答えを受け取るだけではありません。自分が何に納得し、どこに引っかかり、何を言い直したいのかを知る時間でもあります。

最初の返事を完成品だと思わない

生成AIの最初の返事は、完成品とは限りません。

メールの文章が少しかたすぎるかもしれません。旅行の案が、自分には忙しすぎるかもしれません。説明は正しそうでも、知りたいこととはずれているかもしれません。

そこで終わりにせず、返事を材料として読みます。

「もう少し短くしてください」

「子どもにも分かる言葉にしてください」

「予算を下げて考えてください」

そう返すことで、対話は続きます。

「違う」は大切な手がかり

返事を読んで「違う」と思ったとき、その感覚を無視しないでください。

何が違うのかを考えると、自分の考えが見えてきます。

「内容は合っていますが、言い方が冷たいです」

「便利さより、安心できる方を重視したいです」

「効率の話ではなく、疲れない方法を考えたいです」

このように言葉にすると、最初はぼんやりしていた自分の基準が、少しずつはっきりします。

「そこはいい」と伝える

違うところだけでなく、よかったところも伝えられます。

「最初の説明は分かりやすいです」

「この言い回しは残してください」

「三つに分けた整理の仕方がよかったです」

よかった部分を示すと、その部分を土台にして次の返事を作れます。

すべてをやり直すのではなく、残したいものと変えたいものを分けて伝えるのです。

よく分からないまま進まない

返事の中に、意味の分からない言葉が出てくることがあります。

そんなときは、分かったふりをして先へ進まなくてかまいません。

「この部分が分かりません」

「具体例を一つ出してください」

「私が理解できているか、簡単な質問で確認してください」

そう伝えれば、同じ話を別の角度から説明してもらえます。

分からないところで立ち止まることは、対話を止めることではありません。対話を自分の速さへ戻すことです。

読んだときの気持ちも手がかりになる

返事の内容だけでなく、読んだときの自分の反応にも目を向けてみます。

ほっとした。

急かされた気がした。

少し腹が立った。

大げさに感じた。

やってみたいと思った。

こうした反応は、自分が何を大事にしているかを知る手がかりになります。

ただし、生成AIに気持ちの意味を決めてもらう必要はありません。

「なぜそう感じたのか、一緒に整理してください」

と頼み、自分で確かめていきます。

すぐに信じなくていい

読みやすく、自信のありそうな返事でも、正しいとは限りません。

日付、金額、制度、医療、法律など、間違えると困ることは、別の資料でも確かめます。

また、価値判断を含むことは、一つの返事だけで決めません。

「反対の見方も出してください」

「この案の弱点は何ですか」

「分からない点を分からないまま示してください」

と聞くこともできます。

返事は、判断の代わりではありません。判断するための材料です。

返事を読むことは、自分を見ること

生成AIの返事を読んでいると、相手の言葉だけでなく、自分の輪郭も見えてきます。

何を分かりやすいと感じるのか。

どんな言い方が苦手なのか。

何を優先したいのか。

どこで迷っているのか。

返事に反応することで、頭の中だけでは見えなかったことが、言葉になっていきます。

次の言葉は、自分が決める

生成AIの返事は、会話の終わりではありません。

その返事を読んで、次に何を返すかを決めるのは自分です。

納得したなら、先へ進む。

違うなら、言い直す。

分からないなら、止まる。

ほかの見方が必要なら、聞き直す。

対話の方向を決める力は、使う人の側にあります。

この章で覚えておきたいこと

最初の返事を、完成した答えだと思う必要はありません。

違和感も、納得も、分からなさも、次の対話の手がかりになります。

大事なのは、生成AIが何を言ったかだけではなく、

その言葉を読んだ自分に、何が起きたかです。

生成AIとの対話では、返事を読むたびに、自分の考えも少しずつ見えてきます。