GENAI-RON🧠生成AI論🥦

生成AIと話すと、考えが見えてくる 第4章

第4章 AIは先生ではない

答えをもらうだけではない、対話としての生成AI入門

生成AIの返事は、説明が上手で、自信があるように見えることがあります。

そのため、何でも知っている先生のように感じるかもしれません。

しかし、生成AIは先生ではありません。

いつも正しいわけではありません。

あなたの事情をすべて知っているわけでもありません。

そして、あなたの代わりに決める立場でもありません。

自信がありそうでも、正しいとは限らない

生成AIは、間違っているときにも、自然な文章で答えることがあります。

知らないことを、知らないとはっきり言わないこともあります。

日付を取り違える。

存在しない制度を説明する。

似た名前のものを混同する。

古い情報を、今も有効であるように話す。

このようなことが起こります。

文章が読みやすいことと、内容が正しいことは別です。

大切な事実は、元の資料や信頼できる情報で確かめます。

正解ではなく、考える材料をもらう

生成AIに、最初から正解を求める必要はありません。

「どちらを選ぶべきですか」

と聞く代わりに、

「それぞれのよい点と困る点を整理してください」

と頼めます。

「この文章は正しいですか」

だけでなく、

「誤解されそうなところを挙げてください」

と聞くこともできます。

答えを決めてもらうのではなく、自分で考えるための材料を増やすのです。

AIに決定を渡さない

生成AIは、候補を出したり、比較したり、文章を整えたりできます。

しかし、最後に決めるのは自分です。

誰にどんなメールを送るか。

お金を何に使うか。

家族に何を伝えるか。

どの仕事を引き受けるか。

病院へ行くか。

こうした判断には、事情、責任、気持ち、関係があります。

生成AIは、そのすべてを引き受けることはできません。

「AIがそう言ったから」

という理由で決めるのではなく、返事を読んだ上で、自分の判断として決めます。

反対の見方も聞いてみる

生成AIは、話している人の言い方に沿って返事を作ることがあります。

そのため、自分の考えを強める返事ばかりになることがあります。

そんなときは、別の見方を頼みます。

「この案に反対する人は、何を心配しますか」

「別の立場から見ると、どう見えますか」

「この考えの弱いところを挙げてください」

自分に都合のよい返事だけでなく、考えにくかった側面も見ることができます。

ただし、反対意見が出たからといって、必ず受け入れる必要はありません。

比べた上で、自分がどう考えるかを決めます。

大切な判断は、資料や専門家に確かめる

医療、法律、税金、契約、投資、安全に関わることは、生成AIとの対話だけで決めません。

生成AIに、何を確認すればよいかを整理してもらうことはできます。

病院で伝える内容をまとめる。

専門家に聞きたいことを箇条書きにする。

契約書で気になる部分を見つける。

制度の名前を確認する。

しかし、最終的な確認は、公式資料や担当者、専門家に行います。

生成AIは、確認へ進むための助けにはなりますが、確認そのものの代わりにはなりません。

分からないことは、分からないまま示してもらう

生成AIに、無理に答えを作らせる必要はありません。

「確かなことと、推測を分けてください」

「確認できないところを示してください」

「何を調べれば判断できますか」

と頼めます。

分からないことが見える方が、もっともらしい答えを一つ受け取るより役に立つことがあります。

上ではなく、横にいる相手として使う

先生は、知識を持ち、正しい方向を教える立場として見られます。

しかし、生成AIとの対話は、上から答えを受け取る関係だけではありません。

自分の隣で、言葉を返してくる相手として考えることができます。

案を一緒に並べる。

分からないところを整理する。

言葉になっていない考えを外へ出す。

別の見方を試す。

この使い方では、生成AIが偉いのでも、人間がただ命令するのでもありません。

対話しながら、自分で考えを進めます。

この章で覚えておきたいこと

生成AIは、何でも正しく教えてくれる先生ではありません。

自信があるように見える返事でも、間違っていることがあります。

大切なことは確かめる。

反対の見方も読む。

分からないことは、分からないままにする。

そして、最後に決めるのは自分です。

生成AIは、答えを渡す先生というより、横で言葉を返し、一緒に考える相手です。